クラゴンのアメリカ遠征“達人調整ルポ”
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クラゴン レーシングドライバーとして世界最高峰のサーキット、ドイツ・ニュルブルクリンクでのレースで活躍するなど、専門筋をうならせる傍ら、ドラテク鍛練場クラゴン部屋を主宰し、一般ドライバーの運転技術向上にも取り組む。「クラゴン」は日本自動車連盟に正式に登録したドライバー名。ゆるトレーニング歴は約12年。2012年6月のVLN4時間耐久レースで、日本人レーサー史上初のSP4Tクラス優勝を果たす。今回、星瑞枝選手の達人調整担当にあたり、運動総研でトップアスリートへの達人調整に必要な専門知識・実技のトレーニングを受け、専門達人調整員の資格を認定される。「同じスピード系種目」(本人談)の選手支援のため闘志を燃やし単身渡米。 |
クラゴンのアメリカ“クラクラ☆ゴンゴンルポ”
第4回(2012.11.29 掲載)
レーシング親方のクラゴンです。
アスペンワールドカップ1日目はGS(ジャイアントスラローム)です。
いよいよアスペンワールドカップ1日目。
星選手にできる限りの調整を施しレースへ送り出す。
公式練習を見たとはいえ、レースとなればやはり別。初めての本気走り、いや本気滑りです。
世界選手権やワールドカップは、モーターレーシングでいえばF1やニュルと同じレベルですから、そのレベルのスピード競技に個人的に大きな興味がありました。
慣れない達人調整で、日本から高岡先生をはじめとするみなさんのアドバイスをいただき、自分の脳疲労と戦いながらやってきた結果が出る日でもあります。もちろんレースには様々な要素がありますから、結果が全てということはありませんが。
ある程度の状態までは調整できたのではないかと思いつつ、星選手をレースに送り出しました。
今回のアルペンスキーW杯女子大回転の舞台となった
米コロラド州アスペン。
試合会場には世界トップレベルのスキーヤーの滑りを
観戦するために多くの人達が集まる。
その滑りは前日とは全くの別物。僕はクルマの人間なのでスキーは全くの素人ではありますが、雪面に沈んでいくような、深いコーナリングのポジションを取れているように見受けられました。
クルマならタイヤがいかに路面を深くとらえるかですから、スキーなら板がいかに雪面に深く入り込むかでしょう。
重心位置も下がりますから、その低いポジションはコーナリングに大きなプラス効果があるはずです。
いわゆる「乗れている」といえる状態です。
緊迫感あふれるレースの中、
大きなモニターでタイムを確認する観客、スタッフ、選手たち。
結果はわずか0.13秒の僅差で2本目進出を逃してしまいましたが(※)、コーチの予想以上の滑りだったそうですし、僕も「これは日本一の選手の滑りだな」と思いました。
※ワールドカップは参加選手全員が1本滑り、上位タイムの30人が2本目を滑り、1本目と2本目のトータルタイムで競われる。
惜しくもわずか0.13秒の僅差で2本目進出を逃した星選手だが、
コーチの予想以上といえるほどの滑りを見せた。
明日はGSよりもより細かいターンのSL(スラローム)です。
(2012年11月24日/アスペンにて)
第5回へ続く>>
クラ☆ゴン調整報告(11月24日) クラゴンです。 クラゴン(11月24日/アスペンにて) |