木上竜二のスイス遠征“達人調整ルポ”
木上竜二(きがみ りゅうじ) 運動総研専門達人調整員。運動総研にて、2011年よりゆる体操やゆるトレーニングに取り組むお客様を対象にした「達人調整個人施術」を開始、調整を受けた多くの方より支持される。トップアスリートへの達人調整に必要な専門知識・術技能力を備えた専門達人調整員の資格を認定され、現在はトップ若手歌舞伎役者やトップアスリートを中心に達人調整を施術。ゆるトレーニング歴は約15年。1998年より高岡英夫が主宰する極意武術協会に入門し、武術の稽古にも励んでいる。趣味は料理、歌を歌うこと。 |
木上竜二のスイス“ワクワク♪ニコニコルポ”
第3回(2013.1.19 掲載)
3日目です。
今日はヨーロッパカップの試合があるので、朝6時から達人調整を行いました。
昨日は相当に脳疲労がひどかった星選手ですが、調整の結果、半分程度は疲労が取れたようで、それにともなって身体の方も徐々によくなってきました。試合前なので、センター系と脳の調整をメインに行い、試合に送り出しました。
今日の試合後、すぐに次のヨーロッパカップの開催地へと移動です。
出発までに少し時間があったので、自分の脳を調整するためにグリモンをゆるウォークしました。雪道、さらに坂道が多い中でのウォーキングは、雪にも山にもほとんど縁がない私には非常にハードかと思われましたが、ゆるんでいればなんとかなるものです。何回か滑りましたが、転ぶことは一度もありませんでした。視界いっぱいに見える山々が、いかにもスイスだな~♪という感じで、雪山の“気”をワクワクしながら満喫してきました。
- 自分の脳を調整しがてら、グリモンを“ゆるウォーク”
スイスらしい広大な山々を目の前に雪山の“気”を満喫する
- 味わいのある建物が並ぶグリモンの町
次の開催地はメルヒゼー・フルット(Melchsee-Frutt)というスイス中央部のスキー場です。宿泊地は麓のザルネン(Sarnen)になります。ジャパンスキーチームにあわせて私も移動し、ザルネンで合流。
ザルネンはザルナー湖のほとりの街で、私が着いたときにはすごい霧でした。山の上のメルヒゼー・フルットは大丈夫だという話でしたが、去年の大会ではすごい霧が立ちこめて大変だったそうです。
夜の調整は、試合による身体の疲労を取るとともに、さらに脳疲労を取っていく方向で施術していきました。
明日はオフということなので、時間を充分にかけてゆる体操&達人調整を行っていきたいと思います。
(2013年1月8日/ザルネンにて)
*
4日目です。
今日は星選手がオフということなので、充分に時間をとって達人調整ができました。
午前中はまず、ゆる体操指導から。
首ゴロゴロ体操からはじめて、脳疲労をとるゆる体操を中心に1時間たっぷりと行いました。
その後続けて2時間の達人調整。
1時間のゆる体操の指導を行った後に、続けて1~2時間の達人調整を施術するというのを、1日に2セット以上行うのは、1日6時間連続で達人調整をやることがある私にとっても、なかなか厳しいものです。さらに星選手のように最上質の滑りを体得する目的で極めて高度な身体意識のトレーニングを行っている選手に対して行うものになると、脳の多くの領域かつ格別に深い部分の疲労にアプローチする必要があり、こちらの脳疲労も半端ではありません。それに加え、移動疲れと時差ボケ、慣れない環境という要素が加わってくるものですから、心身ともにかなり鍛えられます。もちろん自分も高度な鍛えられ方を経験できるのですから、ありがたいことです。
- 宿泊ホテルの窓から見えるザルネンの町並み
そのようなハードな日程なので、前回12月に来たときもそうだったのですが、体調を万全にするためにもアルコールを摂らないのはもちろん、食べる量を減らして、内臓に負担をかけないようにしています。スイスはワインが美味しい国なので、ちょっと(というか、かなり)飲みたくなるのですが、帰国してからおみやげで買ったものを飲もうと考え、一滴も飲みません。見るだけです。見るだけ……(笑)。ちなみに前回買って帰ったワインは、たいへんおいしゅうございました。
昼はホテルのレストランで食事です。
ランチで出てきた鶏のグリルのリゾットは、スイスで食べた中では一番美味しい料理でした。トマトベースのリゾットの上に、鶏の胸肉をジューシーにグリルしたものが乗っていて、味の加減も申し分ない。写真を撮っておけばよかったのですが、あんまりの美味しさに夢中になり過ぎて、すっかり撮るのを忘れてしまいました(笑)。技術的には難しい料理ではないと思いますので、家に帰ったら自分でも作ってみようかと、料理好きな私としては今からワクワクしています。このリゾットは、鶏の火加減が大事ですね。それにチーズはいいものを使わないとあの味が出ないでしょう。
- 達人調整のためのスペース
調整するごとに星選手の身体は着実にゆるんでいく
午後は星選手の要望で、腰と股関節まわりのゆる体操を中心に1時間ほど行い、その後、達人調整も1時間やりました。今回の訪問中ずっと埋もれていた仙骨がようやく浮かび上がって動いてきました。
夜は食事後に30分の予定が40分に延長。
明日の試合に向けて、脳疲労を取って、センターを通す調整を行いました。
脳疲労が再び回復してきたのか、脳の硬さが減り、少し代謝感が出てきました。一方、身体にも変化が出て、星選手いわく、いい意味で身体に重みを感じるようになってきた、とのこと。しかし高度な脳疲労との闘いには、凄まじいものがあります。
明日は試合なので、朝6時から調整です。私の脳疲労もかなりのものになってきたので、充分に疲労を取ってから、寝ようと思います。
(2013年1月9日/ザルネンにて)
第4回へ続く>>
木上竜二の調整報告(1月8日) <6:00~7:00> 達人調整 |
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・拘束背柱崩し ・座椅子背柱足底崩し ・拘束背芯崩し ・足先背芯崩し ・首頚開き ・手巾脳洗法 ・肩甲押しほぐし ・肩甲はがし ・吊腕抜き ・肩包はがし ・腰背踵崩し ・側腰踵崩し |
・前側腰崩し ・外腿踵崩し ・腰背崩し ・仙波崩し ・横臥外腿螺旋崩し ・側腰崩し ・側腰転子回法 ・吊脚閉側芯崩し ・脊椎通し ・裏転子促神法 ・脛腿崩し ・ウナ打通法 |
<21:20~21:40> ゆる体操指導 <21:40~23:10> 達人調整 |
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・拘束背柱崩し ・拘束背芯崩し ・足先背芯崩し ・首頚開き ・手巾脳洗法 ・肩甲押しほぐし ・肩甲はがし ・肩包はがし ・腰背踵崩し ・側腰踵崩し |
・外腿踵崩し ・腰背崩し ・仙波崩し ・横臥回仙回崩法 ・下腿振波 ・脛腿崩し ・吊脚閉側芯崩し ・脊椎通し ・裏転子促神法 ・ウナ打通法 |
木上竜二(1月8日/ザルネンにて) |
木上竜二の調整報告(1月9日) <9:20~10:00> ゆる体操指導 <10:00~12:00> 達人調整 |
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・拘束背柱崩し ・背柱渦巻崩し ・座椅子背柱足底崩し ・拘束背芯崩し ・足先背芯崩し ・首頚開き ・手巾脳洗法 ・肩甲押しほぐし ・肩甲はがし ・吊腕抜き ・肩包はがし ・腕甲回外抜崩法 ・腰背踵崩し ・側腰踵崩し ・外腿踵崩し ・腰背崩し |
・仙波崩し ・前側腰崩し ・横臥外腿螺旋崩し ・側腰崩し ・側腰転子回法 ・外腿崩し ・座椅子下裏腿崩し ・下腿振波 ・脛腿崩し ・足内三戦乗法 ・吊脚閉側芯崩し ・前閉側芯伸緩法 ・脊椎通し ・裏転子促神法 ・ウナ打通法 |
<15:30~16:30> ゆる体操指導 <16:30~17:30> 達人調整 |
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・拘束背柱崩し ・座椅子背柱足底崩し ・拘束背芯崩し ・足先背芯崩し ・首頚開き ・手巾脳洗法 ・肩包はがし ・腰背踵崩し ・側腰踵崩し ・外腿踵崩し ・腰背崩し ・仙波崩し ・横臥回仙回崩法 |
・前側腰崩し ・横臥外腿螺旋崩し ・側腰崩し ・側腰転子回法 ・外腿崩し ・座椅子下裏腿崩し ・下腿振波 ・脛腿崩し ・吊脚閉側芯崩し ・脊椎通し ・裏転子促神法 ・ウナ打通法 |
<21:00~21:40> 達人調整 |
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・拘束背柱崩し ・座椅子背柱足底崩し ・拘束背芯崩し ・足先背芯崩し ・僧帽崩し ・首頚開き |
・手巾脳洗法 ・脊椎通し ・裏転子促神法 ・脛腿崩し ・ウナ打通法 |
木上竜二(1月9日/ザルネンにて) |