ホーム > 日米政治家の本質力を解く! 第8回 鳩山由紀夫(2)

日米政治家の本質力を解く!

鳩山、オバマ、小沢、麻生…、最先端の身体意識理論で分析する現代日米政治家の真の実力とは!?

  • 高岡英夫
  • 高岡英夫[語り手]
  • 運動科学者。「ゆる」開発者。現在、運動科学総合研究所所長、NPO法人日本ゆる協会理事長・推進委員。東京大学、同大学院教育学研究科卒。東大大学院時代に西洋科学と東洋哲学を統合した「運動科学」を創始し、オリンピック選手、芸術家などを指導しながら、年齢・性別を問わず幅広い人々の身体・脳機能を高める「ゆる体操」「ゆる呼吸法」「ゆるウォーク」「ゆるスキー」「歌ゆる」を開発。一流スポーツ選手から主婦・高齢者や運動嫌いの人まで、多くの人々に支持されている。大学・病院・企業などの研究機関と共同研究を進める一方、地方公共団体の健康増進計画での運動療法責任者も務める。ビデオ、DVD多数、著書は80冊を越える。
  • 松井浩
  • 松井浩[聞き手]
  • 早稲田大学第一文学部在学中から、フリーライターとして仕事を始め、1986年から3年間「週刊文春」記者。その後「Number」で連載を始めたのをきっかけに取材対象をスポーツ中心にする。テーマは「天才スポーツ選手とは、どんな人たちか」。著書は「高岡英夫は語る すべてはゆるむこと」(小学館文庫)「打撃の神様 榎本喜八伝」(講談社)等。高岡英夫との共著に「サッカー世界一になりたい人だけが読む本」「ワールドクラスになるためのサッカートレーニング」「サッカー日本代表が世界を制する日」(いずれもメディアファクトリー)、「インコースを打て」(講談社)等がある。

第8回 鳩山由紀夫(2)(2009.07.24 掲載)

――前回のお話では、かなり太さのあるセンターが上下に存在していることが、友愛などの高雅な考え方を基に政策を展開しようとする、鳩山さんの支持装置になっているということでした。確かに、多少でも高雅な哲学を基本に据えて政策を展開しようという政治家は、昨今の日本では珍しいですね。

高岡 その鳩山さんのセンターのさらなる特徴としては、ある程度の太さがあって、その中がきれいな空洞となって抜けていることが上げられます。最近の分析でいえば、WBCの青木宣親選手がそうでしたよね。颯爽とした雰囲気とか、端然とした精神状態にあって、頼りにされたイチローが不振という非常事態でも抜け切った存在であり続け、大活躍しました。鳩山さんは、あくまでも上下の分裂状態はありますが、それと同じ性質を持ったセンターを形成しているんですよ。

――ということは、現在のような大変な政治状況の中ではピッタリの政治家なのかもしれませんね。確かにそう言われてみると、鳩山さんは、何かつかみ所のない、良い意味でも悪い意味でも抜けた感じが漂っていますね。

顔を見ても、発言を見ても、あの何か抜けた印象というのは、センターの中抜け構造からくるもの

高岡 そうでしょう。何か抜けているですよ。バカで、間抜けというのでは決してないのですが、顔を見ていても、表情を見ても、発言を聞いていても、すべてにわたるあの抜けた印象というのは、このセンターの中抜け構造からくるものです。そういう意味でいえば、政治家にしては泥臭いどん欲感の少ない、稀なタイプの人物でしょうね。

――どん欲感が少ないといえば、大変な家柄に生まれ、お金に困らないということも良かったのでしょうか。

高岡 それがマイナスに働く場合もありますし、プラスに働くこともありますから、それが原因とはいえませんね。この人の場合、プラスに働いたということでしょう。では、なぜプラスに働いたかといえば、DNAであり、身体意識の構造(DS)であり、そういうものを持って生まれたか、あるいは幼少期に形成されたということなんでしょうね。政治家ですから、はたかれて1グラムもホコリが出ないなどということはないんでしょうが、彼の場合ホコリが出たとしても、他の政治家のようなどん欲さとはまた違うところからホコリが発生しているものであろうことが、身体意識の構造からは推測できますね。

 さて、話を進めますが三丹田はどれも大きいんです。ところが、厚さが薄くて、まだまだ弱いですね。

――やはり、そうですか。事前に、鳩山さんの日頃の言動を思い返したり、発言録やホームページを読んだ印象として、三丹田はどれもそこそこという感じとメモしておきました。

高岡 松井くんのそのリサーチ結果は、非常に正しいですよ。三丹田は弱いんだけど、ちゃんとあります。と同時に、麻生さんや小沢さんにたくさんあったスティッフな固い、重い、ひん曲った構造が、鳩山さんには本当に少ない。これが、またスカッとした、スッキリとした、あの印象を作っているんです。

――多くの政治家に見られるどす黒さや硬い意固地さは、まったく感じられないですものね。

身体意識の面から見ても、優れた政治家になりうる要素はそろっている

高岡 まったくないですね。冒頭で松井君も言ったし、おそらく多くの人が感じている誠実さ、真面目さ、クリーンな感じをこの身体意識は、物語っています。つまり、身体意識が人間の人格や行動の設計図とすれば、鳩山さんの場合、設計図の下書きとしてはいいものが描かれようとしているということですよ。今後は、その未完成の下書きがその通りに強化され、骨格ができあがって、肉づけされていけば、素晴らしい設計図となるわけですから、そうしたら面白いことになっていくでしょうね。

――麻生さんや小沢さんだと、硬くてひん曲がった部分が多いから、まず、それらを取り除いて、それからセンターと三丹田を形成していくことになりますが、そんなことしていたら大変に手間がかかりますよね。それを今からやっていこうとしても……。

高岡 無理とはいわないまでも、困難ですね、今から改善作業をするというのは。

――鳩山さんの場合は、スティッフな部分が少ないので、今後うまく設計図を完成させていけば、素晴らしい日本の指導者になり得る可能性があると。

高岡 そうですね。私たちは決してつまらないことで足を引っ張ることなく、彼を育てる厳しい姿勢を持ちつつ、彼の今後を楽しみに見守っていく必要があるんでしょうね、日本という国家を構成する責任ある国民として。

――鳩山さんの「リバース」はどうですか。

※「リバース」とは、人と人、あるいは人と物とを結ぶ放物線状の身体意識。『身体意識を鍛える』(青春出版社)の第2章「達人たちの“身体づかい”7つのアイテムを知る/アイテム4 リバース」(86ページ~)や『丹田・肚・スタマック』(ベースボール・マガジン社)の第5章「リバース武蔵」(154ページ~)で詳しく解説しています。

熱い胸、クールな表情という大衆に受ける身体意識は揃っているが、大衆へのリバースが弱い

高岡 リバースはまるで弱いですね。

――弱いですよね。ホームページの文章を読んでいても、大衆に語りかけて、それが読む者の胸に迫ってくるような感じがあまりありません。

高岡 そこそこの熱い胸、そしてクールな表情というのはあるんですね。そういう意味では、大衆の人気を得る要素は持っているんですが、松井君が感じたようにリバースが弱いんです。このリバースが発達すれば、爆発的な人気になっていく可能性がありますね。

――街頭演説も、聴衆の心に語りかけていくという感じではないですものね。

高岡 そうそう。それも、ないですね。そういうあたりを取り上げて、「プロフェッサーD」つまりスタンフォード大学の経営工学の博士号を取っている学究肌の人間だという言い方をよくされるんだけど、それだけで片付けてはいけないんですよ。身体意識の構造でみれば、偉大な政治家になりうる未完成の設計図はあって、それらが少しずつ強化されていったとして、あともう一点ほしいとすれば、それがリバースなんですね。それが、身体意識の構造から非常に具体的に見えるということですね。

 きれいにまとまったねぇ。政治家を扱って、これほど気持ちいい思いができたのは久しぶりじゃないですか。こういう感想も大事ですね。昨今の日本の政治家の分析をすると、多くの場合が暗い気持ちになってしまうからね。

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